ボランティアの皆さんの手によって手拾いされた田んぼで代掻きが始まりました。
今年の作付はとなるのは、ほんの少しの田んぼですが、
汐見台・代ヶ崎などで農家さんが急ピッチで田植えの準備に取り掛かっています。
脚腰に負担を掛けながら、中腰で頑張っていただいたボランティアの皆さん、
本当に、ありがとうございます!
今回お邪魔した代ヶ崎浜工区。
向かって左奥の山沿いまで田んぼが続く場所です。
すでに前日から作業が始まっており、昨日は3枚の作業を終えたとのことでした。
震災前までは、トラクターがいても何気に車でスルーしていた田んぼ。
ですが、こうして間近で見てみると、
このトラクターの代掻きのスピードは、人の歩く速さより少し早いくらい。
幅10m長さ50mの田んぼで
張られた水と瓦礫が少なくなった土を、往復して1.5~2時間かけて丁寧に撹拌してゆくのです。
このトラクターのオペレーターは、七ヶ浜町在住の我妻さん。
七ヶ浜町の唯一若手の農業従事者さんです。
震災前も農業に携わり、
トラクターを購入する予定だったそうですが、
津波の被害に遭い、農業どころではないと購入も見送ったそうです。
震災後は、JA仙台東部営農センター 七ヶ浜復興担当に就き、
昨年行われた大豆作付の支援としてキリンビールさんから支援されたのが、
購入予定だった、トラクター。
震災後、保有数少ないトラクターだった故に、この機動力は本当に助かっているそうです。
七ヶ浜では、津波により93%の水田・畑が被害を受けました。
町自体は北日本一小さい町ですから、被害面積でみると各地域とはくらべものにはなりません。
しかし、小さい町ゆえに町の面積に占める農地の割合はどの地域よりも多く、
下の画像はその被害度を表す、七ヶ浜町では有名な資料です。
町の工区に浸水域をレイヤーで乗せてみると、
緑で囲まれた箇所が水田、水色のべた塗りが浸水域。台殆どの水田に津波が押し寄せているのが分かります。
震災後、七ヶ浜町の農業従事者の方は1/10となり、一人にかかる作業負担割合は震災前の10倍。
阿川工区北の汐見台も広大なエリアではありますが、ここでも2~3台が稼働するだけの状況。
さらに、代ヶ崎工区でも、以前は3~4台のトラクターで代掻きを行っていたそうですが、
いまは、この1台のトラクターでまわすしかない状況だそうです。
トラクターの奥で作業されているのは、我妻さんのお母様。
トラクターが入ったスロープを、レーキでならしているのですが、
この日、代ヶ崎工区で作業されていらっしゃったのは、我妻さんご家族2人だけでした。
震災より3年目を迎え、ようやくスタートした稲作ですが、
今年の作付は、トライアルだそうです。
実際のところ、育つか、育たないかも分からないしねぇ~。
でも、まず、やってみないことには、なにも変わらないからね。
人少ないからさ、田んぼにいると、
目立って、あおばた案山子さんって言われっけどwww とお母様。
やってみないと分からない…
ちょっと酷な現状ですが、本当に、やってみないと分からないのです。
苗から黄金色の穂が垂れるよう願わずにはいられません。
「垂れろっ!穂!!」
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テーマ:東日本大震災支援活動 - ジャンル:福祉・ボランティア