「今日から、田植えをします!」と電話が入り、
いざ、代ヶ崎工区の田んぼへ!

しっかりと育てられた苗が田植え機に積まれ、
3年前の光景が一部だけですが蘇りました…。
今日は、阿川工区の田植え機もヘルプに来ていました。
いつも、1台で回していたこの代ヶ崎工区。

2台だけでも、活気にあふれています。
知らないということは、驚きの連続w
前回は、トラクターのローターの動きに驚き、
今回は、この田植え機の車輪の細さ!

どちらかに重心をかけたら、傾いてしまうような細さです。
今まで(震災前)は、見かけていても畦で隠れて見えていなかったのですが、
こうして近くで寄ってみると、幅15cm付いている羽で20cmあるかないかの車輪。
だから、この間隔で苗を植えることができるのですね。
それにしても、ほんと、細いです。。。
我妻さんから「絶対写さないよーに!!」と念を押されていた、
この1枚の写真。

陸に上がるやいなや、
「あ~、もー、やだわー。ほんと、凹む。自信喪失!!」と苦笑する我妻さん。
水稲農家にとっては、1直線のラインが当たりまえ。
でもこの写真、曲がってるんです。
除塩をする時、
横に細かくラインを入れて、塩抜けがいいようにしたのだそう。
田植え機の進む方向は縦、除塩の時のラインの方向は横。
交差するところで、代掻きでは掻かなかった底の轍にはまり、
ハンドルを取られてしまっているそうです。
あの車輪の細さなら、なおのこと操作しにくいでしょう。
写真をよく見てみてください。
1回に6列の苗を植えこむのですが、12列目も同じところで曲がっているのです。
そこに、除塩のラインが入っているということになります。
言いつけを守らなかったことは、反省いたします。
ですが、除塩の跡…
これもまた、皆様に見ていただきたい震災後の
農業復旧の軌跡なのです。

そして、畦にある拾いきれない瓦礫。
手拾いで丁寧に拾っていただいても、掘れば掘っただけまだ出てくるのです。
先日も、地元のテレビで我妻さんのお父様が
「対策はエンドレス。死ぬまで瓦礫拾い」とおっしゃっていました。
こうして水稲ができる田んぼは、一握り。
田植えのできない半分以上の工区も、同様の状況です。
次期、他の工区で田植えや畑ができるとしたら、
少しでも、長靴で入れる環境、手で作業できる環境に近づけられれば、
と願わずにはいられませんでした。
夕暮れ近い時間、
田植えの終わった田んぼでは、
鴨さんたちが苗付近をついばむ、のどかで穏やかな時間に包まれていました…。
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- 2013/05/22(水) 01:12:27|
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震災から3年を迎えた2013年5月。
ボランティアの皆さんの手によって手拾いされた田んぼで代掻きが始まりました。
今年の作付はとなるのは、ほんの少しの田んぼですが、
汐見台・代ヶ崎などで農家さんが急ピッチで田植えの準備に取り掛かっています。
脚腰に負担を掛けながら、中腰で頑張っていただいたボランティアの皆さん、
本当に、ありがとうございます!
今回お邪魔した代ヶ崎浜工区。

向かって左奥の山沿いまで田んぼが続く場所です。
すでに前日から作業が始まっており、昨日は3枚の作業を終えたとのことでした。
震災前までは、トラクターがいても何気に車でスルーしていた田んぼ。
ですが、こうして間近で見てみると、
このトラクターの代掻きのスピードは、人の歩く速さより少し早いくらい。
幅10m長さ50mの田んぼで
張られた水と瓦礫が少なくなった土を、往復して1.5~2時間かけて丁寧に撹拌してゆくのです。

このトラクターのオペレーターは、
七ヶ浜町在住の我妻さん。
七ヶ浜町の唯一若手の
農業従事者さんです。
震災前も
農業に携わり、
トラクターを購入する予定だったそうですが、
津波の被害に遭い、
農業どころではないと購入も見送ったそうです。
震災後は、JA仙台東部営農センター 七ヶ浜復興担当に就き、
昨年行われた大豆作付の支援としてキリンビールさんから支援されたのが、

購入予定だった、トラクター。
震災後、保有数少ないトラクターだった故に、この機動力は本当に助かっているそうです。
七ヶ浜では、津波により93%の水田・畑が被害を受けました。
町自体は北日本一小さい町ですから、被害面積でみると各地域とはくらべものにはなりません。
しかし、小さい町ゆえに町の面積に占める農地の割合はどの地域よりも多く、
下の画像はその被害度を表す、
七ヶ浜町では有名な資料です。

町の工区に浸水域をレイヤーで乗せてみると、

緑で囲まれた箇所が水田、水色のべた塗りが浸水域。台殆どの水田に津波が押し寄せているのが分かります。
震災後、
七ヶ浜町の
農業従事者の方は1/10となり、一人にかかる作業負担割合は震災前の10倍。
阿川工区北の汐見台も広大なエリアではありますが、ここでも2~3台が稼働するだけの状況。
さらに、代ヶ崎工区でも、以前は3~4台のトラクターで代掻きを行っていたそうですが、
いまは、この1台のトラクターでまわすしかない状況だそうです。

トラクターの奥で作業されているのは、我妻さんのお母様。
トラクターが入ったスロープを、レーキでならしているのですが、
この日、代ヶ崎工区で作業されていらっしゃったのは、我妻さんご家族2人だけでした。
震災より3年目を迎え、ようやくスタートした
稲作ですが、
今年の作付は、トライアルだそうです。
実際のところ、育つか、育たないかも分からないしねぇ~。
でも、まず、やってみないことには、なにも変わらないからね。
人少ないからさ、田んぼにいると、
目立って、あおばた案山子さんって言われっけどwww とお母様。
やってみないと分からない…
ちょっと酷な現状ですが、本当に、やってみないと分からないのです。
苗から黄金色の穂が垂れるよう願わずにはいられません。
「垂れろっ!穂!!」
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- 2013/05/15(水) 02:02:17|
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朝の身支度を行い、午前四時半に船に乗り込む。
いざ!
七ヶ浜町花渕浜
花の淵わかめのメカブ収獲へ!

昨年からわかめの収獲について、
色々と体験させていただいていたのですが、
メカブの収獲については、今回初めての同行。
メカブがどうやって収獲されるのか、
実は日々悶々と考えていたのですっ!!!
海面の養殖ロープを引き上げると、
果実のようなメカブがごろっごろと、
たわわに実ってましたw

その株を、
ワイルドに鎌でザックザクと容赦なく
切り分けてゆきます。

私の頭の中ではこうでした

しかし、
ぱこっと外れるものではなかったようです ヾ(- -;)
胞子から育て、
根っこもなかった
花の淵わかめの幼芽。
その芽が、
力強い根っこの塊を作り、
しっかりとロープに絡みついた姿を見た時には、
感無量でした。
刈り続ける事、1時間。
船には盛りに盛られたメカブがいっぱい!

メカブにも様々な表情があり、
プリーツレタスのようにフリフリの部分もあるんですよ。

下の写真は、
わかめとして出荷するため、刈取られた切り口。
どうやら切り口からの再生はないようですね。

陸に水揚げされた、
花の淵わかめのメカブ。
漁港ならではの圧倒される光景です。

このメカブの塊を、
今度は一個一個に切り分け、根っこの部分と分別されます。

皆さんが手に取るメカブは、通常この状態↓。

今日は出荷のため、
さらに、茎とメカブを切り離します。

このV字の『メカブカッター』かすごい!
茎とメカブの間にす~~っと通すだけで、
美しくはがすことができるのです。
が…、これもまた手作業。
花渕浜わかめ部会のご夫婦8名、
県魚連からの力強い助っ人2名と
私で3時間超え。
塩蔵わかめにしかり、このメカブ収穫も、
丁寧な手仕事の上に成り立っているのです。
一つ一つの生産工程を知る度、
その生産物への愛着と生産者さんへの敬意が溢れ出ます。
わかめでも、メカブでも、海苔でも、
そして、
七ヶ浜でこれから始まる稲作や園芸農業においても
えっ?!こんなことしてるんだっ!!!という
生産の現場を
これからもお届けしたいと思っております(`・д´・ )ゞ
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- 2013/05/12(日) 00:27:20|
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2013年GW後半に入りました。
今日も七ヶ浜には、
農地復旧に向けて
沢山のボランティアさんが全国各地からお越しいただいています。
本当に、ありがとうございます。
4月に七ヶ浜土地改良区さんとの打ち合わせを行い、
今後の農地の展開について、いろいろお話を伺っておりました…。
さまざまな背景で、今年、是が非でも「稲作」を行わなければならないということ、
ですが「営農を行う以前に、農地復旧が追い付いていない」現状を
ひしひしと感じさせられる打ち合わせでした。
GW前半、なならぼも田圃の復旧作業に参加してまいりました。

流出した漂着物が重機によって撤収された阿川地区の田圃。

大きな流出物は手作業で取り除けるものはずもなく、
キャタピラのついた重機が踏みつけながら回収していました。
表向きは片付いているのですが…

その重量で、
深く埋まった、踏みつぶされた流出物がまだまだたくさんあるのです。
その土地を営農に使うには、かなり深くまで掘り起こさなければなりません。
今回は、
水田の普及作業でしたから、根の張る深さはそれほど深くはありませんが、
幅約30m、流出物の撤去で1m進んだの田圃には、10㎝も掘り起こすと、バケツ一杯の不燃物…。

これでは、さすがに人手が必要です。
今日も、ボランティアさんと農家の皆さんが一緒になって作業を行っています。

≪↑
七ヶ浜復興応援サポータープロジェクト サポプロ7さんより♪≫
ボランティの皆さん、ありがとうございます!!
この
水田が、秋には黄金色の
水田になる日も間もなくですが、
残念なことに、七ヶ浜の
水田・畑の多くが作付を行えるのはほんの一部。
まだまだ、支援のご協力が必要な状況です。
よろしくお願いいたします。
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- 2013/05/04(土) 13:27:45|
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